中国の剣 剣の流派

にくまる

2014年12月29日 11:03

日本剣術には多くの流派があります。有名なところでは柳生新陰流、神道無念流、北辰一刀流、天然理心流などですね。
居合に特化した流派もあり、無双直伝英信流、夢想神伝流などが有名ですし、総合流派としては私も学んでいる水鴎流などです。

では中国ではどうでしょう?現在、剣術だけで伝えているところはあまりないだろうと想像されます。
多くが各種の拳法流派に付随した剣術として伝えられます。

しかし、徒手剣術成立以前から武器術は存在したはずで、そもそもは武器術しかなかったはずです。
ですから、拳派剣術は以前からあった古流剣術を内包していたり、そもそも併伝としているようです。
ですから、自分の門派の名を冠した剣術套路以外に剣術独特の套路として伝わっている場合があります。

剣術套路として有名なものにものに
・七星剣
・武当剣
・昆吾剣
・青萍剣
・龍形剣
・白猿剣
・純陽剣

などがあるといいます。
純陽剣は私が最初に学んだ剣術套路です。
当時は形意拳の技術と聞いていましたが、あまり形意拳らしくなく不思議に思っていました(笑)

最近の拳友との交流や研究で知ったこととしては、これはやはり単独の剣術套路のようです。
(雷嘯天 著「純陽剣」 には少林拳系として分類されています・・・)

私が学んだ全套路ものは動画で見つけるのはなかなか困難です。
この動画がかなり近いです。批判を覚悟で申し上げますが、向上の余地がだいぶある演武です。


武当剣はこれがかっこいいです。


このように「○○拳」を冠していない剣術套路は数多くあり、逆にこれらの套路名が同じでも、
まったく套路構成の異なるものも数多くあります。

ここからは考察ですが、日本剣術同様、基本的な剣の使い方が確立されてから名人が得意技をもって流派を作ったものの、
剣は扱いが難しいため、武器術としては大衆に大いに広まることがなかったが、徒手技術を含む拳法にとって、
剣術の修行は拳法の練習との相乗効果もあり、各々の拳法の特徴に合わせて改変されたり、併伝されたのではないか、
と考えています。

前述の純陽剣は私のもともと学んでいた団体の本家・台湾ではかなり後半に習う套路だそうです。
しかももともとの門派に伝えられていた套路ではなく、優れた套路であるため、カリキュラムに組み込まれたようだ、
と聞きました。

こういったことが数多く起きていたのでしょうね。こういう歴史的考察は技術修業に直接影響しませんが、
ロマンがあって、私の武術の楽しみ方の一つになっています。

次回は拳派剣術について考察します


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