
先週のことですが、拳法会の稽古にゲストがいらっしゃいました。
千葉周作が創始し、坂本龍馬が学んだ流派として有名な「北辰一刀流」の七代目宗家、椎名市衛先生です。
私がこの教室で補佐をしており、かつ、剣道経験者であることから、お手伝いにご指名いただき、一刀流極意の「切り落とし」を実際に体験することができました。真向正面を私が切りにいくのに、椎名先生が遅れて太刀を出しているにもかかわらず、私の太刀は椎名先生の左に流れ、椎名先生の太刀は私の額直前でピタととまる。恐怖と感慨の瞬間でした。
写真は鬼籠手を打たせていただいたときのものですね。私が打つと剣道の面打ちのように籠手に木刀が跳ね返されますが、椎名先生が打つと籠手ごと手首を切り落とされるような感覚で、木刀は籠手から跳ね返ることはありません。
木刀で新聞紙を斬る実験では、一回目は無残にちぎれてしまいましたが、椎名先生の「もう一度」の際の眼から「さっき私が籠手を打った時のことを思い出してごらん」と言われた気がして、それを思い返して一刀両断!することができました。
子供たちもすぐに斬れる子、まったくできなかった子、様々でしたが、非常にいい経験になったことでしょう。
私は本当に幸運にも遠山老師や大橋先生はじめとしたご縁で、多くの武術・武道の高手、達人の先生方の技・お人柄を間近で見る機会に恵まれました。
こうした先生方の私の感じている共通点は普段は好々爺というか、全然武ばった感じはないのに、技をみせる一瞬にだけ鳥肌が立つほどの凄みが垣間見えることです。椎名先生もニコニコとお優しいのに、その技の凄みがもう・・・。たまらんです(笑)(きっとこういう経験したこちらのクラスタの方は沢山いらっしゃるでしょうね)
水鴎流の勝瀬先生、刀禅の小用先生、書ききれませんが、ものすごく強くて、ものすごい技を持っている人がお話ししているときには本当に穏やかなんですよね。
せっかくこれだけたくさんの名人・達人の皆さんとご一緒するチャンスに恵まれたのに、私の業前のなんと未熟なことか・・・。いや、しかし、ほとんどの武道・武術愛好者が触れたことがない「本物」に沢山触れられているのは財産には違いないのですが。才能が乏しいのは変えられませんし。
それに比べ、我が長男 翔太はこの日の稽古で木刀新聞紙斬りも一発で決め、日本刀での巻き藁斬りも難なく成功。昨年は大会優勝と、武術の才能はきっと私以上なのだろうと思うと、うらやましい(笑)
遠山老師は極峰拳社の武術は「できない子」のための武術だと常々おっしゃっています。つまり上達するための手段が沢山組み込まれていると。これを信じて、私は一歩一歩、大好きな武術の階段を上っていくだけですね。
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